かくしてわしとベッチは赤い糸で結ばれた。
4月28日(日)
3回目のベーシックトラックの日だ。京王線から見る景色はおだやかな日差しの中にのどかな風が吹いて、車内ものんびりとしたものだった。結局いつもと同じように電車一つ分早く着いてしまい。駅前でウロウロとお茶を濁す。ところへじゅんちゃん登場。しからばいざと録音後を見込んでビールを買い、今日はちょっとがっつり飲みたいという事で、ラムを探したが見当たらず、ジャックダニエルに落ち着いた。何年振りだろうバーボンを飲むのなんて。ちょっと待て、きょうの録
音はうまいこといくんか?などという声は聞こえない。仕事の後の酒はうまいと思い込んでいるじじいが二人いるだけ。初回の時は車のナビ、2度目の時は道間違えてヤマトに訪ねた。3回目は問題なく最短でYスタジオに着く。駅からこんなに近かったのかとおもってしまう。いつものように浪速無仁太郎氏がセッティングしている間に、くーちゃんが冷たいおしぼりを出してくれるひえ~気持ち良い。ではいってみようか。などと大きな気合いは入れずに録音に入る。今日は残りの内3曲やっつけて、時間が余るようならさらに何曲かやる予定である。
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超真剣 photo くーちゃん |
最初は「陽出国まで」。さすがに3回目になるとそれなりに段取りを考えてしまう。それが当たり
前だと思うというよりも、こうしてみないと自然と出てくる。でも誰でもが当たり前にやる事なのか
もしれないが。まずは通して演奏してみる。そのあと何回かエンディングを確認して、録音モード
へあれあれなんか調子いいぞ。と思っていたら3時位に何とか1曲目終了。あれまあ、初回2回目の時は最初の曲が終わるのに5時くらいまでかかってしまい。その後の曲をやる時はそれなりに疲れてしまっていた。やはり何回かやるうちに何とかなっていくものなのか。青ちゃんも最初の時はどうなる事やらと気が気ではなかったようだ。が、しかし年寄りというものもそれなりに何
とかやっていくもの、一歩進んで二歩下がり、二歩下がって一歩進む。ちょっと待て全然進んでいない。一歩下がって二歩進み、二歩進んで一歩下がる。自然体でそんな進み方になるのが貴重な経験値か?
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照りが全てを語る photo Aochan |
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調子いいかも photo Aochan |
そこで調子こいたのかも知れん。2曲目の「港の酒場の物語」を始めたら。ベースの音が出な
い。あれまと思ってみたら、シールドがアカン見たいだ。フェンダーのシールドの接続をはんだで繋ぎ直してものを使っていたんだが、ノイズもほとんど出ないで、今日はいい感じだなあと思って
いたんだが、どこかが絶縁になりそうになっているみたいだ。で、違うシールドに変えて始めた
のだが、ノイズがジ~と出ている。まあ手で触っている分には出ないので、そのまま2曲目も録音終了。
3曲目「夕陽のカウボーイ」を流していると、浪速無仁太郎氏がなにかごそごそと探して出してきた。これをアースにしたらどうか。ベースのブリッジに片方をゆわいて。反対のほうをヘッドフォンをさし
ている機械に繋いだが、ノイズは変わらない。そのまま何回かやっているうちに人間がアースと
しては一番いいのではと思い。わしの体に先をつけてみるかということで、どこに繋ぐか巻くか
差し込むかと考えた。靴下の中くるぶしで押さえるのが良いのではないかと考えてやってみた。
おう、ノイズが消えた。神様仏様稲尾様ありがとうごぜえます。これで年貢もきちんと納める事
ができますでございます。ではなく、ベッチと出会って31年。ついにわしとベッチは赤い糸で結
ばれたのでございます。ベッチで誰や?ってか。わしの使っているベースのことや。買って来た
時に名付けた。ちなみにナベイチところはまどこ。
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赤い糸をチェック photo くーちゃん |
てな訳で、予定の3曲終了。前2回を考えたら奇跡に近いペース。で、どうするという声に「スター
ダストラブ」にリベンジ。初回の時に4時間以上かかってやったが結局取り直しになった曲。これ
もほとんど問題なく、出だし注意という事だけで、何回かやってやっつけてしまい。セッティング
を変えて仮歌入れ。じゅんちゃんちょっと大変そうなところもあったが、とりあえず終了。今日は
何故こんなにも調子がいいのか。天気のせいか。体調のせいか。3回目だからか。よくわからん
がこんな日もあるだろう。気をゆるめたらあかん。まだまだ続くこのみちはどこまで続くかわかっ
ているが、まだまだ終わりじゃない事はわかっていないといけません。
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仮歌であっても大変なのです photo くーちゃん |
楽しい録音の後のビールです。くーちゃんが実家に帰った時に買ってきた。「香住鶴 山廃特別
純米」(山廃特有の酸味が乳酸を使っている事でまろやかになっている)を飲み。久しぶりの
バーボン ジャックダニエルをかたむけ。色々おしゃべり。アテはくーちゃん実家の神戸名物
くぎ煮、パスタにサラダ、じゅんちゃん持参の関西人の知らないみそピーナッツにその他唐揚
げ太巻きなど。しゃべって飲んでいるうちにいつの間にか時間が過ぎてじゅんちゃんが帰れなく
なってしまった。すると浪速無仁太郎氏がうちは二人とも明日休みだから泊っていけばという事になり。そのまま飲み続ける。あれれ、いつの間にか4人ともギターを持っている。
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いつの間にか皆でギター photo くーちゃん |
深夜になって外に飲みに行こうかと言う事になった。駅の側に韓国料理屋がおいしいらしい。
ぞろそろと行ってみたが電気が消えている。線路の反対側へ行ったけど、どこもしまっていた。
するとじゅんちゃんとくーちゃんが韓国料理屋さんへ入って出てこない。どうしたのかと行って
みると、店に残っていたおじさんがこれからママさんを呼んでくれるとのこと。待っているとお客
さんと飲みに行ってたらしいママが帰って来た。マッコリおくれというと、ちょっと待ってと出かけ
て行った。浪速無仁太郎氏曰くマッコリ買いに行ったんだよ。そのとおりビニール袋にマッコリ3本。
ママさんマッコリを大きなどんぶりに入れるとそれとセットの小ぶりなお椀を出してくれた。
久しぶりのマッコリだが、関西御幸森のおばあちゃんの手製とはちょっと違うが、わしには氷を
入れると丁度いい感じ。黙っているとキムチ豚リブを韓国風に炊いたもの、それと忘れたがもう1品。おいしかった。マッコリもママさんが買ってきた3本全部飲んでしまった。お勘定してみるとテーブルの上を見て皆の顔を見て、はい一人千円。ちょっと大丈夫なん。元とってんの。心配になったけど。酔いと眠気が襲ってきた。Yスタジオに戻っていつの間にか寝てしまった。
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マッコリとじゅんちゃん photo くーちゃん |
朝気が付くとじゅんちゃんは恒例の散歩のようですでにいない。わしもちょっと周りを見て見よう
と思い、ぶうらぶうらと裏の方へ向かう。程久保川の土手沿いには桜の並木があった。まだ1輪
2輪八重桜の花が残っていた。土手沿いは朝の散歩やウォーキングの人が行きかう。程久保
川が終わると多摩川に出た。久しぶりの多摩川です。河原に降りてみたかったが、土手から
眺めるにとどめた。河原の緑がとてもいい感じで気持ちのいい散歩でした。戻ってしばらくする
とじゅんちゃんも帰って来て。皆で朝ごはん、浪速無仁太郎氏曰く昨日あんなに飲んでよくも
朝からそんなに食べられるもんだね。う~ん、年寄りは食べないととまっちゃうんだよね。
朝ごはん食べながら、またいろいろ話をして、入院自慢などなど、久しぶりに泣かせてもらった
のは、塀の上でレインボーマンの呪文を唱える話。家に帰ってかみさんに話したら片足上げて
ポーズを取らないといけないから大変なはずと言っていた。数日後くーちゃんのメールにも
書いてあったが、合宿のようなツアーの夜のような、春のおぼろ月夜の晩で気持ちの浮いた
楽しい夜でした。朝からそういう空気だったのかなあ。
次回もがんばるぞ。
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程久保川の桜並木を行くと photo Wootaro |
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多摩川に出ました。 photo Wootaro |
営業一課 すちゃらかうーたろう