2015年4月26帰京集合写真

2015年4月26帰京集合写真
22015年4月25日~26日山梨県にツアーに行きました。26日東京へ帰る前にまだ居残った皆で集合写真 photo by Arisan

2013年6月2日日曜日

〇月〇日〇曜日 その5 前編

我が愛しの黒曜ちゃんは何処に?

2月中旬からバイトを始めた。遺跡の調査の仕事で、初めは寒かったが3月に入ると
どこかで鶯が啼き、やがて桜は咲き始め、4月中頃にはツバメが飛び交い、5月には
風がさわやかに吹き空も澄んで、穏やかな日差しを浴びて、ストレスも無く仕事を
するというのは、こんなにもいい事なのか。申し訳ない。

今日もよく晴れた

しかし、現実は。
初めて現場に来た日に説明されたのは、「遺跡の調査というと刷毛とかで遺物を
キレイにしながらのんびりとやる仕事と思って来た人には申し訳ないが、ここで
やる仕事はドカタの人と同じです。土を掘って運んで捨てる。ほとんどがそんな
仕事です。最初に1週間は体が痛いです。そう思って仕事をしてください。」
その後に最初にやったのはじょれん(畑仕事で使うクワのこと)で土の表面を削
りとる仕事。小さい時に畑でクワを使って遊んだのとはわけが違い、言われた通
りにクワを立てるようにして土を削るとえらいしんどい、汗が出てきて腰が痛く
なってきた。そのうち2人3人と他に連れていかれ、3人が残った。いつまでこれを
やらないといけないのか。もういい加減にしてくれと思っていたら、こっちに来
てと呼ばれた。行ってみると土の表面をキレイに削った後を指さして、この黒い
部分を掘って黄色い土が出てくるとそこは硬くて掘れないからそのままにして、
何しろ黒い部分を掘って、使うのはこの移植を使って下さい。えっ?移植って
この小さいの?園芸で使う移植用シャベルをことを移植と呼ぶらしい。言われた
まま掘ってみると硬くて掘れない、しょうがないので少しづつ掘る。全然掘れない。
その内に手が痛くなり、指も痛くなってきた。しゃがんで掘っていたので、今度
は膝が痛くなってきた。しょうがないので四つん這いになったら今度は首が痛く
なってきた。あらら、これはしんどいわあ、他を見渡すとほとんどの人が穴を掘
っている。スコップ(ここではえんびというらしい)を使ったり移植を使ったり
えんびで掘った土をみ(土を入れて手で運ぶ入れ物)で残土置き場に捨てたり、
ねこ(一輪車の事)で土を運んで捨てたり、人が大勢いるのは住居址みたいで
黒い土がキレイにならされている。くしが何本か刺してある。遺物が出るとく
しを刺しておくようだ。一日目が終わって帰り道、体が重くて歩くのが遅い、
おばあさんにも抜かれてしまう。明日おきられるかなあ、などと思って家に帰った。

ある時、じゃあここ掘ってくれます。ここは遺構じゃないからえんびでガンガン
掘ってくれていいです。底にあたるまでお願いします。底っていうのは黄色い土の
事でローム層のこと。1,5m四方ぐらいか、この方が楽かもしれんと思って掘ったが
やはり楽なはずが無い、深くなってから土運びを手伝ってくれたじいさんが、あん
たそんな頑張らないで息入れなよ。さっきから全然息入れてないじゃない。と言っ
てくれたが休むとなお疲れる気がする。しかし、途中で一息入れながら掘る。ひた
すら掘る。が、底が出てこない。底が出ない場合、深さ1,5m位でやめるらしい、あ
まり深いと危ないからのようだ。そのくらいの深さになった時に、まだ底が出ない
のですがと言ってみたら、ちょっと待ってと言ってピンホールを持って来て穴の底
に差してみた。するとずずーと入ってしまい止まらない。底にあたらないね。じゃ
後ワンスコップ分(スコップの先一つ分)掘って終わりにしましょう。で、壁と底
をキレイにしたら声かけて下さい。チェックしますから。その通りに壁と底をキレ
イにして声をかけた。これでOKです。土のうをあげてから上がって下さい。次の
場所指示します。えっ?土のうを上げてから?穴が深いので土のうを足場にして上
がり降りしてたんだけど、土のう上げたら上にあがれるかな?穴の縁に手をつけて
飛び上がった。あかん、ダメ上がれない。あっという間に落ちた。するとちょっと
先にいたおばちゃんねえちゃんが笑った気がした。やべえ、2回目は失敗できへん。
どうしよう。よし息をととのえて、それっ、ああああ、縁にしがみ付き足を横から
一生懸命上げてようやく上がれた。たった3秒位なのに息が切れた。しんど。

今まで住居址やったことありますか?いやないです。一度やってみたいと思ってい
たんですけど。じゃあここやってもらえます。やったあ、あこがれの住居址だ。と
思って5人位先にやっている人に交じって与えられた区画を移植で掘り始めた。表
面は黒い土だったがすぐに黄色い土が出てきて、ある部分だけ黒いままなので、そ
こを集中的に掘っていった。するとビニール袋に入った割れた西洋磁器やびんなど
が出て来た。こりゃ誰かが穴を掘ってごみを捨てたんじゃないの、と思っていたら
調査員の方が来て、あらあそんなのが出て来たの。ここは住居址じゃないわね。で
あえなく初めての住居址はとん挫。もうガンガン掘って構わないとなって掘ったら
土管が出て来た。

遺構は入って3日目位にやった。何しろまだまだ道具の使い方もわかっていない。
自分なりに移植で掘り進んだ。すると赤っぽいかけらが出て来て調査員の方に聞く
と、土器の欠片だからくしを刺しておいてと言われた。やったあ土器だ弥生時代
らしい。どんどん掘っていったら7個か8個位出て来た。なお掘り進み深さが1m位
になったところで穴の上から声がした。掘り方に注意して。手前に向けて掘るよう
にしないと遺物があった時に手がすぐにとまらないよ。で、社員の人が降りてきて
教えてくれた。手首を使って少しづつ移植が手前へ来るように掘る。言われた通り
にしたらえらいしんどい、こんな風にやるのか。すこしづつ時間をかけないといけ
ないのか。こりゃ大変だ。穴から出て土を捨てていると、調査員の方が、この穴と
あそこから続く穴が繋がっていて結構大きい掘立小屋があったと思われるんですよ
ね。そうなんですか。ふ~ん、下しか見てないからわからないけど全体をみると
いろいろ考えられるんだ。そんな当たり前の事に気が付いた。

大きな住居址では、最初は小さい土器の破片などが出ていたが、その内土器そのも
のの形のものも出て来た。横を通る時にいいなあ、わしもあんなの出してみたいな
あ。と思ったが、何日かして3人位でせいぜい直径20から30Cm位の小さい穴を手分け
して掘っていたら、ひとりの子がほとんど形の崩れていない土器を出した。30Cm位の
穴の中にすっぽり入っていた。こんなこともあるのか。ビックリした。

何人か集められた。今日からみなさんにはプレ掘りというのをやってもらいます。
旧石器時代のものを調査します。.............

以下後篇へ続く

PS 文章の中で間違いや不明な点がありましたら、私の聞き違いや勝手な解釈に
   基づくもので、責任はすべて私にあります。

営業一課 すちゃらかうーたろう

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