ライブ自体も楽しいが、終了後の打ち上げが楽しい。
打ち上げまで含めて、ライブである。
セットなのである。
打ち上げがなかったら、すちゃらかしゃいにんぐはライブをしないだろう。と言っても過
言ではない! ドン!(机を叩く音。)
最後の演奏曲が終わると、いろんな意味でホッとする。
片方でやり終えたぞ・・・と思い、もう片方でさぁ打ち上げの始まりだ。いい酒呑むぞ!
てなカンジである。
であるから、ライブやコンサートで演奏が終わったら、俺たちには呑むことしかないので
あ~る! ドンドン!!(またまた、机を叩く音。)
遅くなったが、すちゃらかライブ回想録第四話で進んでいる。
時は1985年4月。すちゃらかしゃいにんぐは5人で動いていた。
オレ、やっちゃん・うーちゃん、なべいちもマイケルもゼッコウチョ~であった。
オトコばっかのバンドであった。
呑み友達で写真家で娯楽指南役&人生指標家のS原H出夫(Kまさん)が、やほ(谷保)
耕作団という怪しい集団を率いて、毎年味噌作りをやっているという。
んで、今年も仕込みをするから、そこで歌えといってきた。
味噌(大豆)も人間も楽しい唄を聴けば、ゴキゲンになるんだと言って、いつもの笑顔で
ニッコリ笑う。
へぇ~そうなのか・・・ふんふん・・・
仕込みの場所は、小金井市にある学芸大学内の畑。
おいしい料理と酒が、食べ放題呑み放題。さらに昨年仕込んだ味噌も分けてくれるそうだ。
そんな楽しい予定に5人がニヤニヤしていると、同じ日の夜に武蔵小金井駅近くの上之原
会館というところで「原っぱまつり」というコンサートが行なわれるという。そこでの出
演依頼が飛び込んできた。
味噌作りの畑からは、徒歩10分くらい。
時間的にも、出来ない条件ではない。
モンダイは・・・、打ち上げをどうするかだ!
さて、当日はいい天気で、風は穏やか。絶好の仕込み日和である。
畑に到着すると、ビニールハウスの周りの仕込み場では、湯気が上り、大豆をゆでたり、
野菜を切ったり、料理を盛り付けたり、缶ビールを開けたり、子ども達が走り回ったり転
んだりと、がっちゃんがっちゃんで笑顔が重なっている。
耕作団員は20人くらい・・・、みんな楽しそうだ。
広い空と広い畑、深呼吸が自然と出てしまう。
演奏するのは俺たちだけなので、好きなようにやっていいと言われた。そいつは助かる。
よけいな事は考えなくていいのネ。バカ頭たちにはウェルカムだ。
駆けつけ3杯を繰り返してから、おいしいお味噌が来年できますようにと、すちゃらかし
ゃいにんぐライブの始まり始まり・・・
となったのだが、何曲か演奏しては小休憩で呑んで食い、また何曲か演奏しては食って呑
んで・・・、なんてことはないライブと打ち上げをいっしょにやっているようなものである。
言い方変えると、野外宴会と言ったほうが近いかもしれない。
演奏の出来はともかく、状況設定は最高であった。
大きなテーブルを前に歌い、演奏し、楽しむ、呑む。
テーブルのまわりでは、聴く。踊る。野次る。笑う。そして呑む。
そうして、それらの合間に臼の中の大豆をすり潰す作業に加わったり、大豆ダマを仕込み
樽に並べたりと、収穫祭というか仕込みパーティーというか、まさに味噌作りの中のライブで
あった。
畑と空と風だ |
陽が傾きかけた頃、俺たちはお土産に味噌(昨年産のネ)と野菜をどっさりいただき、さよ~なら
の声に送られ、畑をあとにした。
気分は終戦後当時の地方巡業演芸一座である。
片手に楽器ケース、片手にネギの飛び出した袋をぶら下げ、5人のオトコが黄昏の中をフラフラ
と歩いていく。
行き先は・・・、上之原会館「原っぱまつり」。
ひとつ山越しゃ、ほんだらったほいほい♪
ふたつ山越しゃ、ほんだらったほいほい♪・・・・・・と。
以下、後編へと続く。
●この日の演奏曲●
1.SUMMERTIME JUMP
2.サイバイサ
3.温泉旅行
4.BACK STREET JUGBAND SHOW
5.SUNNYSIDE OF THE STREET
6.メリーの手紙
7.恋のシーソーゲーム
8.キャピ ギャル
9.マンドリンマン
10.ハーバーナイト
11.これこそ男達の人生
12.ディキシーでいこう
*文中、敬称は省略させていただきました。
《営業2課 じゅんぼう》
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