すちゃらかしゃいにんぐ&のみ亭ファンの皆さま、はじめまして。
今回お初で寄稿いたしますのは、2013年2月24日(日) "すちゃらかしゃいにんぐ" とライブさせて
いただきました藤井貴子です。
いまや巷で大人気、名だたるライターを執筆陣として迎える、この抱腹絶倒・前人未到のすちゃ
らかしゃいにんぐブログ。 「そりゃぁきっと、任されたライターの皆さんは、毎回プレッシャーに
吐きながら這いつくばって入稿するのだわ、私そんなのぜったい無理~」
と、現場の緊張感を想像し身震いしつつ、これまで単なる一読者としてこのブログを訪れて
おりました。そしてまたひとつネタになるであろう [すちゃらかしゃいにんぐ~若きおなご
の生き血計画 No.6] と題された今回のライブに関してのレポート 、一体どなたが書いてく
ださるのかしらねぇ楽しみ!、などと当然のごとく呑気に構えておったところ、ある日の打
ち合わせの席にて。練習後のビールがすすむすちゃらか三人組、レポートは誰が書くかを相談
し始めたと思ったら、
すぐさま、
「あっ、そうだ、たかぽんが書いてよ、俺たち飲んじゃって記憶飛ぶかもしれないからさ…」
「そうだ、それがいいよ」
「酒飲んだ俺たちじゃ信用ならないからね」
「いやぁ楽しみだ」
「良かった、ちょっと楽できる」
「おねぇさーん、ビール3つ!」
…開閉商事、まさかのいきなり業務委託…!
これがウワサの [おんぶにだっこに肩ぐるま計画]…!
突如伸し掛かる強烈なプレッシャー!!
というわけで、わたくし藤井は、ただいま昭和の文豪のように缶詰メ状態になって、執筆して
おります。開閉商事の皆さんのように面白いことは書けはしませんが、ともかくエンヤコラせ
っせと。ほいで、たかぽんの文章ってさぁ前フリ長いんじゃない?とか、早くもどっかから
ジャッジが入るんじゃないかと内心ビクつきながら、ではライブリポート!!
(しかしまだ前フリ↓)
私が西荻窪[のみ亭]に初めて足を踏み入れ、やっちゃんと知り合ったのももう6年前。
そして今では長年の先輩のように親しくさせていただいているすちゃらかしゃいにんぐお三方
ですが、初めてじゅんちゃん(g.)、うーちゃん(b.)にお会いしたのは、昨年(2012年)新春の
こと。その後すぐ4月に行われた"のみ亭30周年記念ライブ"の席で初めてすちゃらかしゃいに
んぐのきらめく楽曲群を耳にした時は、思わず飛び上がってワッと叫びだしたくなるほど興奮と
感動をおぼえました。どの曲も、歌詞とメロディが一体化していてなんて素敵な曲だろう…と
先輩方のステージにうっとりと聴き惚れていました。 そしてそれから、一緒にお酒を飲み交わ
す機会も増え、今回のジョイント・ライブのお誘いにつながり、とてもうれしかったのです。
しかも、一緒にステージやろう!これ歌ってよ!と、すちゃらか側からの提案による曲も、なん
と1ステージ分用意してくださったのです。いやはや、すちゃらかしゃいにんぐに「おんぶに
だっこ」はこちらのほうではございませぬか。
ライブ当日はのみ亭に16時入り。
皆で軽くリハのつもりが、遠足前の子どものようにワクワクしすぎて早くもテンションMAXで
カっ飛ばし私たち、ついうっかりそれまでの中でも最高のテイクを出してしまい、気合いが入り
すぎた身体を鎮めに蕎麦屋でしばし休憩。では、このあたりのことはざっくりと、アコーディオン
くみこさんが撮ってくれた素敵な写真に語っていただくことにいたしましょう。
のみ亭御用達 大松庵 photo by くみこさん |
開演前にはぞくぞくとお客様ご来場。ありがとうございます!
きらびやなか食卓を囲んで、よいムードに 暖まってくる店内 photo by くみこさん |
のみ亭ならではの [ライブの日はおつまみ持ち込み自由]。
皆様がご持参くださったおつまみ類は、さすが都会的大人チョイスのオードブルや、呑みの
シーンではけっして外せないイカせんべいなど、ありとあらゆるデリ&スイーツがテーブルに
並び、まるでどっかの宮殿の晩餐会のよう。
今宵の厨房に立つママは、もちろん秘書室アビ子嬢。
7時半を越えて、ゆらりと始まる第一部は、すちゃらかしゃいにんぐのステージ。
私は厨房へと引っ込み、サイドや後ろから、じっくりのぞき見。
演者の横顔やその背中を見るのって、なんだか生々しく、もうひとつの誰も知らないステージ
をひとりで観ているような気持ちになれて、得した感があるんですよねえ。
すちゃらかしゃいにんぐステージ これが勇ましい男たち(+1姫)の背中 |
やっちゃんとくみこさんをのぞき見 |
「トラブル・ブルース」、「温泉旅行」、「ずっとこのまま」「おぉシャンゼリゼ」「ノベン
バー・ブルース」「サマータイムジャンプ」 結成から30年であられるすちゃらかしゃいにんぐ
の楽曲は、夏から冬、愛や恋、人生について…、色とりどりのモチーフ。長年の仲間だからこ
そ奏でられる息ぴったりのサウンドにのせて、しっかり詩とメロディを伝えるすちゃらかしゃ
いにんぐ。昨年から加わった準メンバーのくみこさんのアコーディオンもすっかり溶け込んで。
すちゃらかの楽曲は、ああ、そんな言葉の使い方もあったんだ!と、楽曲ごとに胸をズキュ~ン
されます。やっちゃんもうーちゃんもじゅんちゃんも、皆、音楽が、この曲が好きだから、演奏
してるんだ!っていうのが身体からバンバン伝わってくる。 長年のファンのお客樣方がいかに
彼らを愛しているか…、曲が終わるごとに大きな拍手と歓声があがり、すちゃらかしゃいにんぐ
が生まれた[のみ亭]は、あたたかい空気に満ちて行きます。
2ステージ目は私。この夜はマウンテン・ダルシマー1本で弾き語り。
のみ亭ライブでは、お客様皆さんがどんどん曲にもMCにも反応してユニークなレスポンスを
その場で返してくださるので、私はいつも笑い出してしまうのです。ダルシマーで4曲、
最後の1曲のみじゅんちゃんのマーチンギターをお借りして、この冬作った、国や政治と人
についての曲「船出と人々」を歌いました。
皆様、ご静聴ありがとうございました。
厨房から photo by くみこさん |
そして第3部、すちゃらかしゃいにんぐと藤井貴子をブレンドして「すちゃ貴しゃいにんぐ」
のステージ幕開けです。ここからは曲解説も挟みながら。
1曲目は、”こんな気持ちがどんなに寂しいものか…♪”と恋の切なさを歌う、弘田美枝子さ
んの名唱で知られる「悲しき片思い」。実は私、この曲のことを知らなかったのですが、すち
ゃらか世代に大人気だったという曲で、みんなこれ聴いてたよ!って。特にじゅんちゃんは深
い思い入れがあったそうです。 やっちゃんには当時のレコードを見せてもらいました。(やっ
ちゃんの棚からは、たまにびっくりするものがスッと出てくる。で、あの大量のコレクション、
どこに何が置いてあるのかよく覚えておられるんですね…)私の世代は、今と同じく、絶対み
んなが知っている曲というのが段々無くなって来ていた青春期を過ごしているので、そういう
思い出があるのを羨ましく思います。すちゃ貴しゃいにんぐの楽器編成がこの曲にぴったりだ
ったようにおもいます。女子高生になって歌った胸キュンの1曲です。
2曲目は、「狼子羊」という新曲をじゅんちゃんとデュエットで。
なんとじゅんちゃん、今回わたしとのデュエットで歌うための曲として、新しく作って持って
きてくれたそうです!これは男と女について深く考察した曲。あの歌詞を聴きながら、お客様
みんな笑ったりしつつも思い当たる節があったのか、我がことのように考えてるお顔でしたよ
ね??とってもおかしみのある味わい深い曲で、歌詞が勝手に”歌い手から歌い方を引き出し
てくれる”ようなところがあって、歌うのがとっても楽しかったです。
恋も愛も、男も女も、昔から変わらないのかもしれませんね。
3曲目、「ホーボーとはいえ」。今度は、やっちゃんとのデュエットです。
すちゃらかのレパートリーの中で、やっちゃんの選曲リクエストがありながらもステージで最
近出してなかった曲とのこと。主旋律やっちゃんで、私はそこにハーモニーをつけて歌いまし
た。ふたりの声をあわせるために、キー設定をちょっと高く上げてもらったのだけど、やっち
ゃんの高い音域に私のハーモニーが絡んで、フォーキーなフレイバーがしたでしょうか!
生きることについて、立ち止って考えさせられる歌詞です。
そしてそして、4曲目。
すちゃらかしゃいにんぐの楽曲の中でも女子人気ダントツトップと評されている曲が、これ。
愛の歌「スターダスト・ラブ」!この曲は、私も大好きなんです。
初めて聴いた時はグーっときてジワっと涙が出てしまったな。この曲が好きな人はみんなそう
だろうなあ…。特に最後のところの歌詞。恋愛について、こんな的確な言葉は聞いたことがな
かった。 ほんとにむちゃくちゃ好きな曲だったから、今回のステージ用ではたかぽんが歌って
みて、と持って来てくださって、私ほんとにヒィーッと息を呑みましたのよ。
歌詞の主人公はもともと女性なので、私が歌うと、男性である作者じゅんちゃんが歌うのとは
また違ったアプローチになったかもしれませんね。くみこさんのアコーディオン・ソロ、本番
ではめっちゃくちゃ煌めいて、きゃーっと歓声があがりました。これを聞くと、きっとみんな
恋したくなっちゃいますね。
ふとどうしても聞きたくなって、この曲はどういった時に作ったのかとじゅんちゃんに質問
したところ、とある映画を観た後に、とのことでした。その映画は私も好きだったので、曲の
背景に少しでも近づけたような気がしました。
5曲目は、「Way to the moon」
これは、じゅんちゃんがむかし本で読んだ、地球と太陽と月の誕生について感動して書いた曲
だそう。じゅんちゃんの提案によって、前奏ではくみこさんのアコーディオンをバックにマウ
ンテンダルシマーのソロ演奏、ではじまり。 流れるような綺麗なメロディで静けさが感じられ
る曲ですが、実は歌は上から下までの音域を使う為ものすごく難しくて、自室でダルシマーを
弾きながら何べんも何べんも歌う練習をしていました。
きっと私の家の近所では、朝昼夜問わずずっとこの曲が聴こえていたでしょう…。
これに関して、エピソードをひとつ。
この曲は、間奏の途中で、静かな”語り”を入れるのですが、私がよむと、なんだか若干早過
ぎてか、どうしても間奏のサイズに合わない。 みんなに、もう少しゆっくり言ってみて、と言
われて何度も試みるもピッタリ来ない。どうしよう…と本番を前にして、私はすっかり煮詰ま
ってしまいました。リハーサルに張りつめる緊張感。そこへ、いつも寡黙なベーシストうーち
ゃんが、ぼそっと、「海のエイをイメージしたらいいんだよ。語る時に。曲の中で、こう、手
をヒラヒラとさせて、泳いでるように」と言って、両手を広げて身体をグニャリとうねらせて、
うーちゃんオリジナルのエイのダンス(?)をしながら、私にそう教えてくれました。
あぁそっか、私はこの曲の中で自分で泳げてなかった、言葉のもっとほんとうのイメージが
捉えきれてなかったんだなと、ストーンと腑に落ち、自分がヒラヒラと大海を渡るエイになっ
たと思って、もう一度読み合わせてみたところ…、なんとなんと、ぴったり、ばっちり!
「やったね!」すちゃらか4人と私、みんな満面の笑み。いやぁもうこれでライブは出来上が
ったようなもんだぁとか言ってまたみんなで飲み始めながら。おや、この嬉しいかんじはどこ
かで体験したことが、とよく思い出してみたら、跳び箱4段がみんなの前で跳べるようになっ
た小学生のようなものではありませんか。ねえ、すちゃらか先生。
これも愛!
そして、ほんとに口から心臓がゴロっと飛び出して来るんじゃないかとおもうくらいドキドキ
してましたが、本番でも無事に流れるようにバチッとサイズに合わせることが出来ました。
この演奏が終わって振り返ったら、すちゃらかの皆がかなり笑顔で腕をヒラヒラさせてて(も
ちろんエイのダンス)、それというのもこういう訳だったのです。
そしてアンコールにお答えして、最後に、すちゃらかしゃいにんぐがこの世のすべての夜に捧
げるあの名曲「ビア樽ワルツ」をみんなでいっしょに!
私はいつものすちゃらかの演奏に混じって、リゾネーターウクレレとバッキングボーカルで参
加。ステージと客席が一体化し、みんなでハモリにユニゾンにコール&レスポンス。
メンバーもお客様も大好きで大切にしておられる曲に参加させていただいて嬉しかった。
そしてお客様の笑顔、使い古したような言い回しですが、ほんとうに宝ですねえ。
おお、ここまで書きましたら、なんとも、愛、愛、愛に満ちているではありませんか。
すちゃらかしゃいにんぐは、愛、愛、いつだって愛です。
長年バンドを続けてらっしゃったのも、きっと一番に、何事へも「愛」があったからなんだろう
な…。わたしも先輩達を見習って歩んでいかねば。
まさに愛にくるまれたこのライブ、すちゃらかの皆さんの愛に支えられ、皆様に愛をもって聞
いて頂けたことを、ほんとうに心からうれしくおもいます。
どうぞこれからもよろしくお願いします。
ありがとうございました!
差し入れも大感謝、感謝です。
私もライブ終わってばくばく食べてしました。
帰りがけの私が、一番大きなエビせんべいをしっかり一枚抜き取って去って行ったことは、
みんなが目撃してくれてるとおもいます。
そののち、楽しい宴は朝5時まで仮眠を取りながら続いたと、風の噂で聞いております。
ライブ終了後
「たかぽん、いやあ今日のライブのリポート、ネタ満載だね!」
「俺ら呑んだら忘れちゃうから!」
「そうだね、ネタには困んないね!」
「ほんと、すぐ書けちゃいそう!すちゃらかが名言いっぱい言ってくれたから、それを書こう
かな!どんとこい、だわ!」
「よかった!」
「あはは」「ははは」「ふふふ」
などと言っていたのに……
差し入れが美味しすぎて会話も楽しすぎて食べることに集中してたら、すちゃらかの愛に満ちた名言のすべてをうっかり忘れてしまいました!
あれ〜おっかしいな〜。
うーちゃんのエイのダンスはこれ。 アビママと photo by くみこさん |
藤井貴子
(秘書室 派遣社員)
PS 次回のすちゃらかしゃいにんぐは稲生座で3月8日(金)20:00 Bens Pop Clubと対バンで
す。よろしくご来場お願い、待ってますよう。(編)
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