2015年4月26帰京集合写真

2015年4月26帰京集合写真
22015年4月25日~26日山梨県にツアーに行きました。26日東京へ帰る前にまだ居残った皆で集合写真 photo by Arisan

2013年6月7日金曜日

〇月〇日〇曜日 その5 後編

我が愛しの黒曜ちゃんは何処に?

なんでこんなにいい天気なのだろう


何人か集められた。今日からみなさんにはプレ掘りというのをやってもらいます。
旧石器時代のものを調査します。2,5m四方の穴で深さは1,5mまで掘ります。掘ると
言っても削るように掘ります。遺物があるとカチっという音がするので見落とさな
いようにしてください。遺物がでたら声をかけてください。と言われ、あまり訳が
わからないままに二人ひと組で掘り始めた。しかし、カチっともうんとも言わない
大分掘っていったらえんびがカチっといった。移植でその辺りを軽く掘ってみたら
石が出て来た。その辺にころがっている石のようだ。社員の人が近くに来たので呼
んで聞いてみた。これはいも石だね。いりません。ふ~んいも石っていうんだ。こ
れはいらないのね。でもなんでいも石っていうんだろう。いもににているからかな。
なんだかんだやっているといも石ばかり10個位出て規定の1,5mになった。この後は
どうするんだろう?聞いてみると、北側の壁をキレイに土の層がよく分かるように
両刃(両刃の道具で撫でるように削ると面がきれいになる)で削ってくれとのこと、
結構時間をかけてキレイにして聞いてみた。大体良いけどこの水平に出ているえん
びの址が写真を取ると土地の層と混同するからこれをもっとキレイに、それと側面
が垂直になっていないで底の方になるに従って内に寄っているこれは次から注意し
て、あと底の面を平らにキレイにして下さいと言われた。結構大変なものだ。と、
そこへ調査員の方が来て、もうOKだね。と言って北側の面に釘で線を引き始めた。
そしてその後写真を撮った。この穴はこれで終了らしい。他の穴を聞いてみると、
やはりいも石しかでなかったらしい。ほとんどでなくて当たり前のことを言ってい
た。一つの穴で4日から5日位かかった。3個位掘ってもいも石しかでない。ただひた
すら掘るしかないのか。1,5m位になると土が湿っていて中は蒸し暑くなる。上に出
ると涼しく感じる。全部で150個位になるみたい。考えただけでいやんなっちゃう。

何個目かで他の人が掘った途中の穴に入った。穴を拡げていた。真中に大きい石が
出ていた。思わず聞いてみた。いも石とこの石の違いはなんですか?いも石は川が
氾濫したりして流れて来たもの、だからまわりががけずられて丸みをおびて小さい。
この石はそれよりも大分大きいので人が他所から持ってきたものと思われる。よっ
て遺物扱いとなる。人の手が関わったのが遺物と考えていいわけですね。そう石器
なんかも人の手によって加工されたわけだから。ちなみにこの石は焼け石っていって
火で焼いて水の入った器に入れてお湯にしたり、具を入れた器に入れれば煮ものが
出来たり、上に包んだ肉や野菜を置いて上から土をかぶせれば蒸し焼きが出来たり
で料理に使った石なわけ、でこれが南東寄りに出て他にまだ出るかもしれないので
南と東に1m拡張して掘ってもらっている。そんな話しを聞いてしばらくすると、
その社員の人が来て、今向こうの穴で黒曜石が出たよ。見たことないのなら見てき
たら綺麗だから。見に行った。黒く光って綺麗だった。黒く輝く石とは良くいった
ものだ。見つけた人は調査員の人に先生ガラスが出ましたと言ったらしい。そう言
ったのもよく分かる。わしも黒曜石を見つけたい。その穴も拡張に次ぐ拡張でその
人は全部で8個ほど黒曜石を出したらしい。本当にうらやましい。

いも石にしかあたらずに何日もたってしまった。石器も出ない。黒曜石も出ない。
黒曜石はどこにある?などと思いながらまた途中から拡張になった穴に入った。そこ
も真中に大きな石が出たところだった。南東の拡張。とりあえず石の出た面まで掘
って、層としては六層くらいらしい3万年位前みたい。このあたりからは結構色々出
るみたいだ。が、わしが掘るとでない。くやしい。1,5mいくと10層で大体4万年位前、
この層からはほとんど何もでないらしい。いやあ10層からでたら大したもんですよ。
全国的にもあまり出ないから。調査員の方もそう言っていた。石の出た層まで掘って
壁と床をキレイにして写真、遺物を取り上げたら、元の大きさに戻って1,5mまで掘る。
1,5mの底に近づいて最後のワンスコップを掘りながら後ろへ下がっていくとカチっと
きた。中くらいの石だった。聞いてみるととりあえず残しておいてとの事。その横へ
30Cm位掘ったらまたカチっときた。よく見ると素人目にもよさそう。近くに来た調査
員の人に見てもらうと、う~んこれは石器の破片だね。よく出たねえ。えっ10層か。
すごい。じゃ拡張。先に再度拡張した面をさげる事になった。そろそろ最後のワンス
コップの所まできそうになった時に調査員の方が来て、まだ出ませんか、一つじゃさ
びしいからもうひとつくらい欲しいですね。拡張分が終わり再度一番下の段に戻って
掘り始めた。すると一緒にやっていたNさんが名前を呼ぶ、何かといって見に行くと
出た。わしのよりいい形をしている。調査員の方ににてもらったら、これはいいです
ねえ。やりましたね。他の調査員の方も来て、結構な騒ぎになってしまった。それほ
ど10層から石器が出るのは珍しい事のようだ。で、再度新規に拡張、うえから10層ま
で拡張して掘るのはいかにも大変なので6層まではユンボで削り、その下からは人手
で行う事になった。

わしらは隣の穴へ移動。そこも大きな石がすでに出ていた。そこも南東1mの拡張。
とりあえず今ある底まで拡張分を掘り下げ、その間は何も出なかった。それから
拡張分も含めて掘りだした。スコップ二つ分位掘り下げる間にわしが小さい石器Nさ
んが小さいけど形のいい石器を出した。そろそろ壁を少しキレイにと思ってえんびで
壁を削っていたら、ガチっと来て土がすっと落ちたと思ったら黒い大きな石が現れた。
直径12~13Cm位か薄い。おう、息を飲んだ。なんかわからんがもしかしたら大変かも
しれん。調査員の方はと見回したら、みんな遠くにいる。ちょっと落ち着けといい聞
かし、まあ近くに来たらでいいやと思い直したら、I先生が来た。先生これっと言っ
て指差す。先生目を開き、これはすごいスーパー石器だ。その後みんな寄って来た。
ちょっと欠けちゃったのが惜しかったね。すいません。壁削った時に出たもんで。昼
休み後にもみんな寄ってきて見物。しょうがないのでわしが手にとってみんなにみせ
てあげた。背の高さは変わらないが鼻だけ少し高くなったかもしれん。一応規定の所
まで掘り下げ拡張は隣の穴をやってる人にまかせた。黒曜ちゃんにはまだ会えない。

次の穴はどこかと社員の人に尋ねたら。う~んと唸ってどうしようここにするか。
その穴も前に1日だけ他の人が掘ったところだった。遠くから見ていたらやけにくしが
刺さっているので見に行ったら掘るというよりもちょっと上を撫でただけで、焼け石
のような礫が沢山でて来ていかにも掘りにくそうだった。ここですかこりゃ掘りにく
いですねえ。などといっても仕事だからやらねばならぬ。が全然あかん。ちょっと
掘るとすぐに礫が出てくる。ほとんどが焼け石。調査員の先生曰く、ここは出て来た
もの全部残しておいてください。とりあえずデコボコだった面を平らにするところか
ら始めた。それでも出てくる。こりゃ多すぎて掘れませんねえ、と先生に言ったら、
細かい石だけあげてもらいましょう。少しは隙間が出来て来た。一応ワンスコップさ
げて様子を見る事にしたが、本当によく出る事。西側半分は足の踏み場もなくなって
きた。とりあえずこれで壁と底をキレイにして、写真を取り測量をして遺物をあげて
もらう事になった。底をじょれんでキレイにしていると、小さな薄い石が出て来た。
そのままにしておいたら、先生が見てこれはナイフです、と言った。他の先生も来て
教科書に載っているようなナイフだね。まあ、又拡張するのはしょうがないな。遺物
は西に沢山かたまっていて南に若干寄っている。南と西への拡張だな、と勝手に考え
ていた。調査員の先生が来たので社員の人と聞いてみた。どっちの方へ拡張ですか?
○○の方へ拡張です。聞えなかった。社員の人もえっ?と言ってこちらを見る。何と
言ったのですか聞えなかったのですが。四方といったみたいよ。四方?南とか西とか
方角の言葉が出ると思ったら数字が出て来た。四面1mの拡張と相成りました。

遺物をすべてあげて、何も無くなったところをきれいに平らにして、1mの拡張に入っ
た。東側はなにも出なかった。四方と言った先生が来て、全然出ませんか?と不思議
そうな顔。でないものは出ない。南側を掘った。西のはじで先の尖った小さな細い石
が出た。I先生がすばやく見つけて、これはようやく石器らしい石器が出ましたね。
と言った。尖頭器石器らしい後ろが欠けているのが惜しいねと言っていた。ナイフは
出るし尖頭器石器も出るし、石の数は多かったけどなんかちょっと楽しくなってきた。
とその時カチっと来た。また焼け石かなと思ってきたら、ちょっと小さい、あれっ?
黒いよこれ、もしかしたら、どうしよう、ほんとうかな?あわてるな、先生はどこだ
ちょっと息を整えよう。でくしを刺してその場所でちょっとの間止まっていた。する
と音もなく現れたI先生がそのくしで黒い小さな石をいじっている、横から思い切って
聞いてみた、先生黒曜石ですか?そうです。やったあ。黒曜石だあ。プレ掘り2カ月に
してやっと黒曜石に会えた。愛しい黒曜ちゃん。お初です。うれしいい。とまでは思
わずクールに仕事を続けた。1m位横に進んでカチっ、うむ?あらら、まただ。また出
た!黒曜石だそうかこんなところで皆で待っていてくれたんだ。なんて健気な子たち
なんだ。おじさんも本当に君達に会えてうれしい。などと思わずにクールに仕事を続
けた。しかし、気持ちはもう大満足。こうして私のプレ掘りは終わったのでした。

そんな訳はありません。この仕事は拡張を終えて、何も出なかったら元の穴に戻って
下へ1,5m掘って終わりとなる。遺物がでたらまた拡張。わしが黒曜ちゃんに会った時
も拡張だったが、その後西側にまた大量の焼け石を含んだ礫と黒曜石が出て再再度の
拡張そしたらまた西側の南の方にまたまた大量の礫と黒曜石。結果東西6,5m南北は隣
の穴とも繋げて9mとなってしまいました。まだ30Cm位しか掘っていないのに。そして
ようやく横ではなく下に向かって本当の穴を掘り続ける事になったのであります。
すいません。写真も無く長々と、ここまでつき合ってくれてありがとうございました。

PS 文章の中で間違いや不明な点がありましたら、私の聞き違いや勝手な解釈に
   基づくもので、責任はすべて私にあります。

営業一課 すちゃらかうーたろう

1 件のコメント:

  1. 黒曜石って「やじり」って子どもの頃言っていました。小学校の友達から土器や棒状のものや、やじりをもらったりしたけど、アレはどこに行ったのだろう?
    たくさんの友達が発掘調査のバイトをしたけど、こんな風にやっていたんだ、とわかりました。うーちゃんにあってるかも。

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